神宮大麻について

NO IMAGE

年末年始に氏神様からいただくご神札には、氏神様のほかに神宮のお神札である神宮大麻(じんぐうたいま)があります。氏神様がその地域をお守りになっている神様であるなら、神宮は日本全国をお守りくださっている総氏神様です。なので、例として氏神様が神明社で天照大御神を御祭神としていても、神宮大麻は皇祖神であり全国の総氏神様である神宮のお神札として、氏神様のお神札と共にお祀りします。

大麻という名称に違和感を覚える方もいるかもしれませんが、大麻は本来「おおぬさ」を読みました。大麻とはお祓いに用いられる用具のことで、この大麻が神宮のお神札の名称の由来です。明治以前は「お祓いさん」「御祓大麻(おはらいたいま)」と呼ばれ、御師(おんし)という神職が全国に配っておりました。江戸時代末期には、お神札を受けていたのは全世帯の9割にのぼっていたようです。現在では全国の神社で頒布されていますが、大麻の奉製(ほうせい)には神宮が直接携わっています。

まず、その年の大麻の奉製開始を大御神に報告し、第1号となる大麻に神璽(しんじ)を押印する「大麻暦奉製始祭」が1月8日に行われます。ここで「暦」とあるのは、「神宮暦」のことで、古くは「伊勢暦」とも呼ばれ、やはり御師によって配られたものです。天体・気象の詳細が書かれたもので、現在では、全国の神社の例祭日なども記されていて、これも神宮で奉製されています。

4月中旬には、「大麻用材伐始祭」が行われ、伐り出されたご用材は五十鈴川畔の奉製所で乾燥されます。一方、和紙は外宮近くにある明治以来の専属の製造所で宮川の伏流水を使って厳しい検査の下に漉かれています。これらのご用材を使用して、各種大麻やお守り札が丁寧に奉製されます。作業にあたる50数名の職員は、出勤するとまず潔斎を行い、白衣に着替えた後、そろって両宮を遥拝(ようはい)し作業を行います。

こうして奉製された大麻は、随時行われる「大麻修祓式」を経て、初めて「お神札」となります。そして、9月17日、関係者が参列し「大麻暦頒布始祭」が行われ、全国の神社を通じて頒布が行われる運びとなります。

ちなみに神宮の神楽殿で授与されるお神札は、神宮の参拝のしるしとして授与される神宮大麻で、新年を迎えるに際して氏神様である地元の神社を通じて受ける神宮大麻とは意味合いが違います。明けて、3月1日には「大麻暦頒布終了祭」が行われます。